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おじやおばからの相続に養子が関係すると ~家族関係と順序に要注意~

執筆者の写真: 真本 就平
真本 就平
9月4日
読了時間: 5分

 この頃は、子どもがいないままに亡くなる人が増えてきています。

 このときたいてい、亡くなった人の兄弟姉妹が相続人になりますが、

その兄弟姉妹もすでに亡くなっていると、その子である甥や姪が、

おじ(伯父叔父)やおば(伯母叔母)から相続を受けることになります。


 ここで、先に亡くなった兄弟姉妹が、その親とは養子縁組によって

子になった場合、その子(つまり甥や姪に当たる人)が

本当におじやおばから相続ができるのか、注意が必要になります。



 子がいない人の相続については、まず親が相続人の候補になります。

亡くなった人の両親が先に亡くなっていれば、祖父母や上の世代が候補ですが、

やはり亡くなっているでしょうから、次は、兄弟姉妹が相続人になります。

 その兄弟姉妹もすでに亡くなっている場合には、その子であるが、

代襲相続」(だいしゅうそうぞく)という仕組みにより、相続人となります。

 どの場合でも、亡くなった人に結婚相手がいれば、

親ら・兄弟姉妹・甥姪のどなたかとともに、相続人になります。

 このことに関係する話題を取り上げた過去のブログはこちらです。 → リンク


 一方、子が先に亡くなってしまったため、が相続人になるときも、

代襲相続と呼びますが、ここに養子縁組が関わると注意が必要になります。

 養親に養子がいたものの、養子が養親より先に亡くなってしまい、

その後に養親が亡くなったときに、養子に子がいる場合、

その子が生まれたときと養子縁組をしたときの前後によって、結論が異なります。

・ 子の誕生が養子縁組の → 相続人になれません

・ 子の誕生が養子縁組の → 相続人になります


 これは、養子縁組をする前に、養子側にすでに子(連れ子)が生まれていると、

養子縁組では、養親と連れ子の間に親族関係が生じず、孫のように見えても、

連れ子は養親の直系卑属には該当せず、代襲相続ができないからです。

 以上の仕組みについて、詳しくは過去のブログをご覧ください。 → リンク



 そして、この両方が重なる相続の実際の事例として、

下の画像の左側のような家族関係の場合を説明します。



 この家族に起こった出来事について、①~⑥の順番を付けています。

① BとCの間に長男Dが誕生

② Aが養親、Bが養子となる養子縁組

③ BとCの間に二男Eが誕生

④ Aが死去  → Aの相続人は、実子Fと養子B

⑤ Bが死去  → Bの相続人は、妻Cと子DE

⑥ Fが死去  → Fに子がいないため、相続人は?


 この場合、養親Aが先に亡くなっているので、

Aの養子である兄Bが相続人の候補になるものの、Bも先に亡くなっています。

 そこで、Bの子であるDとEに代襲相続が認められるかどうかが問われます。

 はABの養子縁組前に生まれたため、その養子縁組によっては、

AやFとの間に親族関係が生じないと考えられています。

そのため、DはFの相続において、代襲相続が認められません

 一方、はABの養子縁組の後に生まれたため、

そのときからAやFとの間に親族関係が生じます。

そのため、EはFの相続において、代襲相続が認められます


 このように、亡くなった人の兄弟姉妹が、亡くなった人の親の養子であり、

その兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、

兄弟姉妹の子(今回亡くなった人の)が相続人になるかどうかは、

甥や姪が生まれたときと養子縁組をしたときの前後によって、結論が異なります。

・ 甥や姪の誕生が養子縁組の → 相続人になれません

・ 甥や姪の誕生が養子縁組の → 相続人になります


 養子縁組前に生まれた養子の子(連れ子)は、養子縁組によっては、

養親の実の子との間に親族関係が生じることはなく、

甥や姪のように見えても、養子を代襲して相続人となることができない

というのが、民法の規定の解釈になります。



 次に、さらに複雑な家族関係にあるため、裁判になってしまい、

最高裁判所が令和6年11月12日に判断を下した事例を紹介します。


 上の画像の右側が家族関係を図示したものになります。

① Bに子DEが誕生

② Aが姪のBを養子とする養子縁組

③ Aが死去  → Aの相続人に実子Fと養子Bがなる

④ Bが死去  → Bの相続人に子DEがなる

⑤ Fが死去  → Fに子がいないため、DEは相続人になれるか?


 結論としては、画像の左側と同じように、

DEがABの養子縁組前に生まれたので、Bが先に亡くなり、

Fが亡くなった場合、DEはFの相続人にはならないと判断しました。


 実は、高等裁判所では、次のような説明により、相続人になると判断しました。

 FとDEの関係は、まったくの他人というわけではなく、

Fの祖父母C(DEからすれば曾祖父母)まで遡れば、

血のつながりがある(傍系血族関係にある)ため、代襲相続ができると。


 しかし、地方裁判所と最高裁判所は、祖父母Cまで遡れば血族関係はあるが、

共通の親A(Bにとっては養母)との間で直系血族関係が生じないDEは、

Fの妹Bを代襲して相続人となることができないと説明しました。

 すなわち、亡くなった人とその兄弟姉妹の共通する親の直系の子孫でない者は、

亡くなった人の兄弟姉妹を代襲して相続人となることができないわけです。

 その結果、この事例では、法定相続人が誰もいないこととなりました。



 以上のように、家族関係に養子縁組と代襲相続が関係すると、

相続人になるかどうかの判断が複雑になりますので、

専門家に確認や相談をされることをお勧めします。


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