要介護者も障害者として所得税で控除 ~扶養する家族も確定申告~
- 真本 就平

- 1月14日
- 読了時間: 5分
年明けの時期には、所得税の確定申告及び納税に向けて、
あるいは、各種の控除を利用して、所得税の還付を受けるために、
準備を始める方も多いことでしょう。
所得税では、ご自身もしくは扶養する家族が障害者の場合、
納税額を低くできる制度がありますが、
介護保険を利用しているだけでは、この制度を利用することができません。
しかし、実は、障害者として各種手帳を受け取っていなくても、
介護保険に関係する手続きを通して、この制度を利用できる場合があります。
まず、所得税において障害者の関係で利用できる制度をお話しします。
所得税の計算では、年間の収入から必要経費を引いた額が、
給与ならば、給与の年額から一定の金額を引いた額が、「所得金額」になります。
そこから様々な理由で差し引くことができるのが「所得控除」であり、
この所得控除を引いた後の「課税所得金額」を求め、
そこに段階に応じた税率を掛け算して、所得税額を算出します。
この所得控除の一つに「障害者控除」があり、所得がある人自身、
もしくは、扶養している結婚相手や親族が障害者である場合に適用されます。
控除できる額は、通常ですと、27万円であり、
障害が重度の場合は「特別障害者」とされ、40万円になり、
特別障害者の配偶者や親族と同居している場合は、75万円になります。
「障害者控除」が適用される障害者は、基本的には、身体障害者手帳、
療育手帳(知的障害者用の手帳の名称は、自治体により異なります。)、
精神障害者保健福祉手帳などの障害者関係の手帳を保有している人になります。
こうした説明は、国税庁のホームページにも掲載されています。 → リンク
また、市区町村が徴収する住民税にも、障害者控除があり、
控除額は、通常は26万円、特別障害者では30万円、
特別障害者と同居する場合は53万円になっています。
以上からわかるとおり、介護保険で認定を受けただけでは、
所得税などの障害者控除の対象にはなりません。
しかし、65歳以上の人で、障害の程度が知的障害者または身体障害者に
準ずるものとして、市町村や福祉事務所から認定を受けることができれば、
所得税などの障害者控除を利用できます。
これはつまり、65歳以上の人が心身に不調を来したとき、
介護保険の制度を利用することで日常生活の対応ができ、
障害者の認定を受けなくても事足りる状況があるため、
このような人でも障害者控除を利用する方法が用意されているわけです。
そして、その方法は基本的に、
要介護認定を受けるために行った調査結果を利用することになります。
市町村や福祉事務所市役所から受ける認定の書類は、
「障害者控除対象者認定書」と呼ばれますが、
市区町村によって名称が若干異なるかもしれません。
担当するのは、介護保険における要介護認定の部署になり、
京都市では、区役所・支所の保健福祉センター健康長寿推進課の
高齢介護保険担当が窓口になります。
京都市はこの制度について、ホームページで紹介しています。 → リンク
下の画像は、その一部になります。

この認定を受けられるのは、65歳以上で認定基準を満たす人になります。
認定の基準日については、所得税の控除に使うものであるため、
控除を受けようとする年の12月31日時点の状況で判断されます。
手続きについては、市区町村によって異なるため、
介護を受けておられる方がお住まいの市区町村にご確認ください。
通常は、年末年始の時期に受付が開始されます。
認定書の交付には半月から1カ月ほどかかることもあるので、
確定申告の期限(通常3月15日)に間に合うよう準備するのが望ましいです。
肝心の認定基準は、市区町村ごとに設定されています。
介護認定の重さで言うと、要介護1~5(要支援1・2ではない)だと、
障害者控除でも認定される可能性が出てくるでしょう。
しかし、要介護認定と障害者控除とでは、基準が異なるため、
介護認定が重くても、必ずしも障害者控除の認定を受けられるとは限りません。
障害者控除対象者認定書を受け取った後は、ご自身の所得税の確定申告で、
障害者控除に関する項目を記入して、申告書を仕上げれば良いことになります。
認定書を受け取った人が家族の扶養を受けている場合は、
その家族の人が行う確定申告で、同じように取り扱うことになります。
なお、個別の税務相談や確定申告の依頼は、税理士にお願いします。
さて、介護を受けている方のうち、著しく重度の方に対しては、
「特別障害者手当」を受け取れる仕組みがあります。
税務上の優遇制度ではなく、現金が給付されるのものです。
精神又特は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において
常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の人が対象になります。
市区町村が手続きの窓口になります。
京都府では、この制度をホームページで紹介しています。 → リンク
現在、支給されるのは、月額3万円弱になっています。
どのような障害があると対象になるかは、基準が細かく定められています。
もっとも、施設入所者や長期間入院をしている人は対象外である上、
本人または結婚相手や扶養している親族において、
前年の所得がそれぞれ一定の額以上であると、手当は支給されません。