令和7年10月からの働く大学生の健康保険 ~年間収入の判定も紹介~
- 真本 就平

- 2025年12月24日
- 読了時間: 4分
家族の中に別の稼ぎ手がいて、その人の扶養の範囲内に収まるように、
働く時間や給料を調整することは、様々な家庭で見られます。
対象だと認められる限界は「年収の壁」と呼ばれ、よく話題になります。
大学生がアルバイトで仕事をするときも、このことは起こりえます。
税金面では令和7年の春、大学生世代を対象に限度の引上げが決まりましたが、
健康保険でも対応されたことが公表されましたので、ざっくりお知らせします。
関係する点は、企業などに勤務する人が対象になる健康保険について、
加入者(正確には被保険者)がどのような人を扶養できるかです。
これについては、扶養認定を受けるための要件が定められており、
認定されれば、加入者本人分のみの保険料負担で、
扶養家族も健康保険の恩恵を受けられます。
大学生世代に当たる19歳以上23歳未満の家族を扶養する場合、
これまでは一般の人と同じく、
年間収入が130万円未満であることが要件になっていました。
しかし、令和7年10月からは、19歳以上23歳未満に限って、
年間収入の要件が150万円未満に引き上げられました。
このことは、日本年金機構がホームページで紹介しています。 → リンク
したがって、大学生が以前より長く多く働いても、ある程度までは、
健康保険の扶養家族と認められることになります。
ここで言う19歳や23歳は、扶養認定日が属する年の12月31日時点の
年齢を指します。つまり、暦年単位で対象者が絞られます。
大学生でも23歳以上ならば、これまでと収入の要件は変わりません。
また、大学生でなくても、19歳以上23歳未満のフリーターなどでも、
収入要件の変更が適用されます。
ただし、正職員や一定の時間以上働くなどの要件に該当する人は、
勤務先で自ら健康保険に加入しなければなりません。
この10月からでも、150万円以上の収入が見込まれるときは、
健康保険の扶養家族になれないため、大学生であっても、
市区町村が運営する国民健康保険に単独で加入する手続きを取って、
必要な保険料を払ったうえで、保険診療を受けることになります。
なお、世帯主が自営業者などで、国民健康保険に加入している場合は、
扶養の概念が存在せず、大学生を含めた家族も、
もともと国民健康保険の加入者(被保険者)になっています。
そのため、130万円なり150万円を超えたからといって、
大きな変化が生じるわけではありません。
収入(所得)の実績が、翌年度以降の保険料に反映されることになります。
税金面では、令和7年の所得税から、19~22歳の子を扶養する人は、
控除可能となる子の年収制限を103万円から150万円に引き上げられ、
現在進行中の年末調整及び令和8年3月期限の確定申告で反映されます。
この内容を掲載したブログはこちらになります。 → リンク
さて、扶養認定を受けるための収入に係る判定方法について、
「年収の壁」の問題を踏まえ、令和8年4月に変更されることが
最近、公表されました。
現在は、扶養を受ける人(認定対象者)の
過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、
今後1年間の収入の見込みを判断しています。
しかし、給与収入だけならば、令和8年4月以降は、
労働契約段階で見込まれる年間収入を基に判断されます。
具体的には、「労働条件通知書」などの労働契約の内容が分かる書類及び
当該認定対象者が「給与収入のみである」旨の申立てを提出することで、
労働契約で定められた賃金(諸手当や賞与も含まれます。)から
年間収入を見込むようになります。
したがって、この場合、残業代などの時間外労働の割増賃金については、
将来の見込みを予測できないため、算入する必要はありません。
そして、当初想定されなかった時間外労働などの臨時収入により、
結果的に年間収入が基準額以上になった場合でも、
その臨時収入が社会通念上妥当な範囲に留まる場合は、
扶養の認定を受けられるままです。
扶養認定における基準額は、通常ならば、130万円です。
19歳以上23歳未満の方は、上に記したとおり150万円。
60歳以上の方や、障害厚生年金を受けられる程度の障害をお持ちの方は、
180万円になります。
これに加え、認定対象者の年間収入が健康保険加入者の年間収入の
半分未満であることが、原則、求められます。
なお、各種社会保険に関する個別の相談は、
所属する保険の担当部署または社会保険労務士にお願いします。